吉野に坐す神
桃花里 下市蛭子神社 つきのさと
しもいちえびす

祭  神 : 蛭 子 命 
境内社:稲荷神社、滝姫大明神、金比羅神社、金山彦命社
鎮座地:奈良県吉野郡下市町大字下市

本  殿

社殿正面

下市町を南北に貫流している秋野川畔、
本町に(浦町)に鎮座せられ、本町の管理経営に当る神社である。
由緒遠隔については詳らかでない。当社を蛭子神社とすることについては確証があるが
現今本町の住人で、祭神事代主命であると称するのは、社名より察すると蛭子命であり、
事代主命とを混同し伝承せられたものかと考えられる。「内務省神社明細帳」には蛭子命と明記されている。
同社は戎社の総本社である西宮神社(西宮市)より分霊を受け当地に勧請鎮座せられたと考えられ、
俗称所謂戎神社とはこの蛭子命であり、由来商業の神として霊験あらたかである。
『大和下市史』下市町教育委員会/昭和33年8月8日刊、神社の項(ママ)

境内入口

   
町内を北流する秋野川   日本初の商業手形 下市札   当社裏 秋野川

下市は、古く桃花里(つきのさと)と呼ばれた市場町で、秋野川の左右両岸に上流に向かって細長く発達した。
日本最初の商業手形といわれる「下市札」が発行された土地柄で、往古より吉野地方で最も栄えた市邑だったようである。
下市初市――――――――
この下市で毎年開かれる「初市」は、この蛭子神社の例祭日、2月12日前後の三日間に行われるもので、往時の賑わいを彷彿とさせるものがある。この地方で最も人気のあるこの祭りは、昔から奈良県下でも盛大な祭事として広く親しまれている。


よしのにましますかみ  吉野に坐す神   平成25年9月17日掲出

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