吉野の四季/大名持神社の秋

秋の大名持の杜は素晴らしい
木々たちは艶やかな変身をみせて色づいている
むかし大海寺があったという今の社務所前の楓は萌える様な朱色
境内入口の銀杏は黄金色 南天の実も負けじとばかり 緋色に化粧をほどこして
 そよぐ風に姿態を揺らしては おとずれる人に微笑みを送る

社殿後背の妹山も対岸の背山も、美しい山容が色とりどりに染まっていた。
持統天皇に仕えた柿本人麻呂の歌

 大穴牟遅少御神の作らしし妹背の山は見らくしよしも 
万葉集巻七<1247>

大名持神社 鎮座地:吉野郡吉野町河原屋 

 大名持神社の祭神は、
大名持御魂神、須勢理比当ス、少彦名命である。
延喜式神名帳で名神大社に列せられ神階正一位を授かっており、
吉野郡では最高位、大和国では春日大社に次ぐ社格をもつ神社である。
当社には、神社前の潮生渕に毎年6月30日に海水が湧き出るという伝承があり、
大和国中から当社に参詣してこの渕で禊をする「大汝詣り」という風習が今日までも続いている。
参考:境内入口説明看板―

大名持神社の社叢・妹山 伊勢湾台風痕跡水位の碑 ▲ 南側境内入口

南向きの社殿入口西側に、上の写真のモニュメントがある。
昭和34年9月26日に来襲した伊勢湾台風の痕跡を後の世に残す為だという。
この球体底辺の高さまで水が押し寄せたと記されている。
神社の横に建てるなら、自然石を加工して造るなど、工夫してほしいと思うのだがどうだろう。

吉野の四季/大名持神社の秋  平成19年11月28日掲出       戻る