吉野に坐す神

    新 子 厳島神社 いつくしま

祭 神:厳島姫神 
神 影:弁財天画像
鎮座地:奈良県吉野郡吉野町新子323
 

元伊勢街道、現在の県道16号線沿いに、南面して鎮座している。ここは高見川が吉野川に流入する川合の地点で、この厳島神社の南西方向500メートルには国栖奏で知られる、天武天皇ゆかりの浄見原神社がある。
社  殿    
     
    昭和47年1月発行の『吉野町史』には、
――高見川の北岸にして達中寺の東方に鎮座する。弁財天神社とも称し、厳島姫神をまつる。創祠・由緒は不詳であるが、近世に至って文化・天保から明治にわたって崇敬の程知られる。
長途の石段を上って社前に至る。神殿は春日造一間社にして朱塗を施し、前方は格子戸をはめてある。覆屋設け、神門玉垣がこれに付属している。神殿の後方は巨岩露出して岩上神社に類似している。…中略…
当社には紙本彩色の弁財天画像(竪九七a横一〇二a)/ママ/を伝える。もと神影として掲げ祭祀供養したものであろう。
と記されている。
  
社殿下の鳥居  
   
    大正八年より編纂された『奈良縣吉野郡史料』には
――辨財天神社ハ新子ニアリ祭神厳島姫命由緒沿革不詳――とのみ記されている。
この史料からみると、以前は「辨財天神社」と呼ばれていたようである。
 
伊勢街道に面した参道入口    


よしのにましますかみ  吉野に坐す神   平成23年11月18日掲出

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