国道310号線金剛越え


大阪より310号線で金剛山を越え、奈良県五條市へ向かう。
河内長野の観心寺を過ぎた辺りから、5月中旬とはいえ冷気が肌に沁みこんでくる。

大阪南部から五條市に向かうには3ルートあるが、一番近道はこの310号金剛越えである。
もう一つは309号線水越峠越え御所市経由、あと一つは紀見峠越え橋本経由の五條行きだ。
310号の金剛越えは一番近いのだが、途中の道が細く急なこと、よく落石があるというので一般的には
あまり利用されていないようだ。しかしこの曲がりくねった急坂が二輪ライダー達には逆に好まれ、
休日には多くのバイク好きがこの道路に集まってくる。それで彼らの格好の練習サーキットの様相を呈する。
それが一般の四輪通行者から見れば危険な感じがして、おのずとこの道路を避けているようである。

たしかにカーブでは大きく中央線をはみ出して走る者もいる。
猛スピード追い越しをかけるバイクもある。また、この道路は狭く対面通行なので、
カーブでは急に視界に飛び込んでくるので危険極まりない。
まず、中央線は絶対にはみ出さないよう注意して、
できるだけ左側を走るようにした。

   ▲金剛山々頂付近より
  (南方眼下に五條市が眺望できる)
▲国道310号線
(南麓五條側はこの半分の道幅)

筆者が乗るのはチビバイクで100ccのエンジンだ。
それでもこの曲がりくねる山道を、50キロ前後の速度で駆け上る。
大排気量バイクがあざ笑うように追い越してゆく。
追い越されるの仕方ないのだが、速いバイクが後ろに近づいているのに気付かず
道路中央付近を走っていると、内側(左側)から追い越しをかける者もいた。
自分のエンジン音で後のバイクに気付かないのである。
左側からの追抜きは絶対止めてもらいたい。危険極まりないからだ。
短い金剛トンネルを抜けると、もうそこからはは五條市だ。
下り坂は第四速でエンブレと前後輪ブレーキを併用して走った。
そのまま降りてゆくと、五條の市街地に出る。
24号線との交差する地点が五條本陣。天誅組ゆかりの桜井寺がその角にある。
24号線を西に走り、大和二見を過ぎて犬飼の交差点を南に下ると吉野川だ。その川に架かる御倉橋を
渡った南岸が黒駒(くろま)町で、その高台に落杣神社が鎮座している。

▲みくら橋から南方の眺望
下を流れる吉野川。遠方は和歌山。
▲本殿


落杣神社・御霊神社

祭 神 式内「落杣神社鍬」に比定されているが祭神は不詳。
明治24年の『神社明細帳』は、大山祗命を祭神とする。
「御霊神社」は後に相殿として合祀されたものでその祭神は
井上内親王。
所在地 大和国宇智郡坂合部村黒駒(五條市黒駒町字宮山)


▲南側から北に向かって長く伸びる参道。この高台の南端に社殿が鎮座する。
右の石塔には「百度石」、左の石燈篭には「御霊大明神」の文字がみえる。
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