神々の坐す杜

西 阿 田 御霊神社 ごりょう        
     

祭 神:井上内親王、他戸親王、早良親王 神日本磐余彦命、ウズメノ命
境内社:天照皇大神社・春日神社・熊野神社・八幡神社    
鎮座地:奈良県五條市西阿田町宮山    


  五條市内に23社もあるという御霊神社の一つである。
『五條市史』によれば、当社は鎌倉時代嘉禎四年(1238)の創立で、祭神は井上内親王・他戸親王・早良親王ということになっているが、鳥居の扁額にも「神霊宮」とあるように本社の祭神は他の御霊神社とは異なり神武天皇(神日本磐余彦命)とウズメノ命で、神像が男神像と女神像各一体で、祭典にお膳を二つ備えるのはこのためであると記されている。
また例祭にシラスで舟漕ぎ歌をうたい、舟を漕ぐさまをするのは、神武天皇が吉野巡幸の際、吉野川を舟でこの地に着かせられたことを記念し、これを伝えているのであるという。
――――――――――――――――
    ●10月17日夜の神歌(五條市史より)
船漕等哉乎(ふなこぎともや)
  栄耀哉栄耀(えようやえよう)
天牛所領者(てんのじのじょろは)
  御馬之甘草(おんまのまぐさ)
猿目哉球玖(さるめがききよう)
  可咲哉面白(おかしけらおろろ)
天原哉神楽(あまらやかぐら)
  可咲哉面白(おかしけらおろろ)
  当社の本来の祭神は、神日本磐余彦命とウズメノ命の二柱だったのかも知れない。
 現在の本殿が鎮座しているこの宮山の東側に旧参道があって、その突き当たり空地に旧社殿跡(右下写真)が最近整備された。
石塔には「阿田明神宮跡」と刻されている。
  
本  殿    
     
   
拝  殿        旧社殿跡

 
神霊宮の扁額  
 
北北西に真直ぐに登ってゆく参道   神霊宮の幟が立てられた境内入口


かみがみのましますもり  神々の坐す杜 54.  平成24年3月9日掲出  戻る