神々の坐す杜
      室生龍穴神社 むろうりゅうけつ

祭神:高龗神(たかおかみのかみ)
配祀:天児屋根命
   大山祗命
   水波能賣命
   須佐之男命
   埴山姫命 


鎮座地:大和国宇陀郡室生村室生
奈良県宇陀市室生区室生1297
近鉄大阪線・室生口大野駅より
奈良交通バス血原橋方面行
     本  殿    
         
      室生龍穴神社は、
丘の上の水神といわれる高龗神を祀る古社で,
室生寺よりも古い歴史をもつという。
ちなみに、室生寺は龍王寺と呼ばれていた時期もあったと伝わり、龍穴神社の神宮寺だったようである。
古杉がそそり立つ境内から、さらに山中へ600メートルほど入った奥山渓流沿いに奥宮があり、竜神が棲むと伝えられる「龍穴」がある。
     拝  殿    
         
       拝殿の扁額には
【善如龍王社】と記されている


『日本の神々』谷川健一著/白水社刊には、
――当社の背後の山腹には「天の岩戸」と呼ばれる大きな亀裂がある。現在の祭神は高龗の神であるが、当社は古来、龍神もしくは龍王を祀るといわれ、龍王社とも呼ばれていた。仏説によれば、龍王は八部衆の一つである龍属の王で、海中に住み雨水を掌って仏法の守護に任じ万物を潤沢するといい、とくに降雨の効験が讃えられている――
…とみえる。
     拝殿扁額    
         
      同、『日本の神々』には以下の記述がある。
――『日本略記』弘仁9年(818)7月14日の条に、「遣使山城国貴布禰神社、大和国室生龍穴等処祈雨也」とあるが、「室生龍穴」とのみ記されているのは、このころにはまだ社殿がなかったからであろうか。あるいは当社が単に室生龍穴と呼びならわされていたからであろうか。いずれにせよ、当社が京都の貴船神社とともに祈雨の神として朝廷の崇敬を受けていたことは確かである。この龍穴信仰がいつごろまで遡るかは不明であるが、すでに『三代実録』貞観九年(867)8月16日の条に、「大和国十五位下檉生龍穴神正五位下」とある。
     境内入口    

かみがみのましますもり  神々の坐す杜 42.  平成23年11月2日掲出

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