式内社 田川神社 たがわ
祭  神 : 気長足姫命、 相殿神:大年神

鎮座地 : 兵庫県姫路市香寺町須加院字北川  

本  殿 拝  殿
播磨国多可郡式内田川神社に比定される古社で、田川十五所大明神と称した。
神功皇后が高岡里棚原山に天神地祇を祀られた時、この須加院にある喜多川で禊して祭祀を行い、領主・守護職の崇敬を受けたことが棟札に記されている。
明治5年飾磨県より式内田川神社と指令され昭和11年郷社に列した。
●例祭10月10日、神紋左三ッ巴。              『全国神社名鑑』

姫路市教育委員会案内板には、社殿の建設の経緯について、
「…記録に出ているところでは、天正6年(1578)には赤松氏の代官馬杉五郎衛門が本殿屋根の修理をしたとある。拝殿は、永禄8年(1565)に建てたとされるのが現存しているものである。」以下略。
田川神社の大欅は、町内随一の巨樹で、目通り5.6m、樹高37m。樹勢極めて盛んである。昭和61年、香寺町の天然記念物に指定された。(説明案内板より)


地元の方の話によれば、境内横を流れる須加院川(喜多川)にはホタルが生息していて、5月下旬〜6月上旬に行くとホタルの乱舞がみられるという。
なるほど澄み切った美しい水が流れている。よく見ると、狭く浅い小川だが魚がたくさん泳ぎまわっているのが見える。
筆者が子供の頃、吉野で見た川魚とまったく一緒の種類だ。
同行者で地元出身の人に聞くと、「ハイジャコ」とよんでいたらしい。正しくは「オイカワ」という川魚の一種だが、俗称は吉野とまったく同じ名ではないか。(写真左下、境内横の小川)
●関連記事:3年前の秋、当社に参詣したときのことを、「やさか掲示板」[330] “播磨の大先達”として書いています。


田川神社の社叢 一の鳥居

昔の参道は、まったく無くなってしまったのであろう。鳥居の向うには一面田んぼが広がっている。
鳥居の扁額には、はっきりと「田川神社」と標されているが、社殿まで随分と離れており、どこの神社の鳥居かと見紛う。
これだけでも往古の勢力が分かる神域の広さである。

かみがみのましますもり  続・神々の坐す杜  24.平成19年11月11日掲出


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